比喩的な用法
生物学的な死の概念から派生して、「死」という語はなんらかの組織や活動が停止する場合にも使われる。現在では、機械装置などが破損した場合に「死んだ」などと形容されることもある。とくにコンピュータに対しては、電源が切れた、クラッシュした、あるいはプロセスが停止したなどの状態を比喩的に「死んだ」と表現することがあり、その延長で「プロセスを殺す」(進行中の処理を停止させる)などといった比喩表現も使われる(一例を挙げれば、unix系オペレーティングシステムでは単なる比喩に止まらずプロセス停止コマンドとして'kill'コマンドが存在している)。
ただ生命の不可逆的な死とは異なり、これら比喩的な死では機械装置なら破損した部品を交換するなり修理して、コンピュータの場合はクラッシュしたプログラムに関するメモリを破棄して記憶媒体から読み出しなおすなど復旧させる方法は幾らでもある。特に技術筋にもなると「異常や故障が手に負えなくなり、それを破棄して異常の無いものに入れ替えする以外に対処方法が無い」場合に「死んだ」と表現する。
ただ生命も一種の分子マシンの集合であり、動物でもその極大な構成物に過ぎないという考え方もある。このためサイエンス・フィクション分野では、そういった「壊れた部品を交換する」などして生命を「修理しよう」というアイデアもしばしば登場する。しかしテセウスの船の問題のように、部品交換で「生き返った」生命が前の生命と同じものなのか(=前の個体は既に死んでいて、目の前で生きているのは別の存在)?という多義的な問題も含んでいる。
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